かほく市高松地区の特産品である「紋平柿(もんべいがき)」をいただいた。秋の収穫のおすそわけに感謝である。さて、紋平柿をはじめ日本の柿はほとんどが渋柿で、そのまま食べられる甘柿はほとんどない。渋柿を食べるためには「脱渋(だつじゅう)」という渋みを抜く処理が必要である。ただし、脱渋といっても渋みの原因であるタンニンが無くなってしまうわけではない。脱渋処理をすると柿の果肉にあるタンニンが液体に溶け出さなくなるため、人間の味覚としては渋みが感じられなくなるということのようだ。タンニンはポリフェノールの一種で、健康に役立つ抗酸化作用があるといわれている。
ちなみに、渋柿の脱渋方式は多数ある。湯抜き法、アルコール抜き法、ガス抜き法(炭酸ガス、ドライアイス)、凍結脱渋法、樹上人工脱渋法、梨烘(りきょう)法、石灰漬け法、燻煙法などだ。
現在、脱渋処理の主流は炭酸ガス脱渋法だが、紋平柿は伝統的にアルコール脱渋である。アルコール脱渋の長所は甘みを強く感じるおいしい柿になることだ。短所は表皮が黒く変色してしまい、見た目が悪くなることである。紋平柿が商品化される際には、アルコールを気化して脱重処理をするという方法が開発されている。
この紋平柿はあと数日すると脱渋が進みおいしく食べ頃になるそうである。
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