小売サービス業はますますオムニチャネル化していくだろう。オムニチャネルとは「実店舗やネット通販サイト、電子メール、ソーシャルメディアといったチャネル(顧客接点)をシームレスに統合し、どのチャネルでも顧客に同じ購買体験を提供しようというもの」である。大手量販店はすでに「オムニチャネル化」に取り組んでいるが、それはやらざるをえないからである。
例えば、大手電気店店頭で商品を見定め、その場でスマフォで価格比較サイトでチェックし、結局買うのは通販サイトという購買行動である。今や、珍しくないこの消費者行動は、やがてコンビニや他の専門店でも起きつつある。その対応のためにも中小企業の小売サービス業もネット運営の能力をもっと高める必要がある。
オムニチャネルの中心的な役割を果たすのはスマートフォンである。
スマートフォンやタブレットの普及は消費者の購買体験を変えた。好きな時に好きな場所で手軽に買い物を楽しめる環境が急速に整ってきた。
小売業者は、消費者の購買行動や嗜好の多様化に対し、様々な販売チャンネルを用意しなくてはならない状況である。 NFCシール(RFIDなど)を利用すれば、店舗と通販の在庫を一元管理し、在庫の無駄を減らすと同時にリアルとネット、どちらにおいても顧客の要望に応えることも可能になってきた。
これから加速度をつけて小売サービスの現場は変化していく。そのようなIT化で遅れをとっている中小企業者は、まずはネット対応能力を高めてほしい。
とりあえずできることとして、ヤフーショッピング無料化に対応してネットショップ出店や、WordPressやMovableTypeを活用したレスポンシブデザインのWEBサイト運営、Facebookなどのソーシャルメディアあの取り組みなどがある。これらは少額でスタートできるネット対応だから、学習意欲を出して新しいことにチャレンジしてほしい。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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